股関節の頚体角(けいたいかく)、前捻角(ぜんねんかく)

大腿骨の頚体角(けいたいかく)

頚体角(けいたいかく)と聞くと難しいですが、頚体角(けいたいかく)とは、大腿骨の「くの字」になっている部分が、どれだけ曲がっているかという角度のことです。

一般的な頚体角(けいたいかく)の角度

・幼児期…約135度
・成人…約125度
・高齢者…約120度

年齢を重ねるにつれて、歩行・走行も積み重なり、重力の影響を長く受けることになります。その結果、大腿骨頭(だいたいこつとう)には、地面に対して垂直に重力がかかり、「くの字」の上の頭の部分が垂れ下がり、角度が小さくなります。

安定して立った状態、安定した「歩く・走る」を保つためには、大腿骨の転子部(てんしぶ)にある大転子に関与する筋肉がしっかり働く必要があり、そのことで、大転子(だいてんし)を上へ引っ張る力が働きます。

  • 年齢によって積み重ねた足の運動(歩く・走るなど)
  • 年齢によって絶えず受け続ける重力
  • 腿骨の転子部にある大転子に関与する筋肉

の3つによって、大腿骨の頚体角(けいたいかく)の角度は決まってきます。

頚体角(けいたいかく)と内反股(ないはんこ)

頚体角(けいたいかく)が通常よりいちじるしく減少した状態を内反股(ないはんこ)と言います。内反股(ないはんこ)になると、股関節痛、片足をひきずるようにして歩くといった症状がでます。内反股(ないはんこ)は、O脚になりやすい脚になります。

頚体角(けいたいかく)と外反股(がいはんこ)

逆に、頚体角(けいたいかく)がいちじるしく増大した状態を外反股(がいはんこ)と言います。のこと将来的な膝関節の痛みの原因になることもあります。外反股(がいはんこ)は、X脚になりやすい脚になります。

頚体角(けいたいかく)とO脚、X脚

これまでお伝えしてきたように、頚体角(けいたいかく)の角度の大きさでO脚、X脚になりやすいかどうかが分かります。

  • 頚体角が小さいと内反股でO脚
  • 頚体角が大きいと外反股でX脚

と、覚えておくと良いでしょう。

大腿骨の前捻角(ぜんねんかく)

「前に捻じれる角度」と書いて、前捻角(ぜんねんかく)。言葉で表現すると、かなりややこしくなりますので、まずは図を見て下さい。

前捻角(ぜんねんかく)は、大腿骨の先の部分(じゃんけんのグーのような形の部分)から、足首とつながった大腿骨の末端に線を引いて、地面とから跳ね返った線でできた角度です。

一般的な前捻角(ぜんねんかく)の角度

・生後…約40度前後
・成人…約10~15度

股関節を構成する2つの骨である大腿骨頭(だいたいこつとう)が寛骨臼(かんこつきゅう)が、前捻角(ぜんねんかく)の角度に影響を与えます。

前捻角(ぜんねんかく)は大きくなるのが異常

グーの形をした大腿骨頭(だいたいこつとう)をつかむパーの形をした寛骨臼(かんこつきゅう)が、大腿骨頭(だいたいこつとう)をしっかりとひきつけていくと、前捻角(ぜんねんかく)は減少します。

つまり、前捻角(ぜんねんかく)は大きくなるのが異常ということになります。

前捻角(ぜんねんかく)の角度と症状の関係

前捻角(ぜんねんかく)は大きくなると…

前捻角(ぜんねんかく)の角度が大きくなればなるほど、大腿骨頭(だいたいこつとう)と寛骨臼(かんこつきゅう)の関係が悪くなります。大腿骨頭(だいたいこつとう)と寛骨臼(かんこつきゅう)の結びつきが股関節なので、股関節の状態が悪くなることを意味します。

前捻角が大きくなるほど、立脚初期の股関節内旋角度と下腿内旋角度、さらに立脚後期の膝関節外反角度が大きくなるということが分かり、本研究により以下の内容が明らかになった。1.前捻角増加に伴い、歩行立脚初期の股関節内旋角度が増加し、大腿骨頭と寛骨臼の不適合を是正していることが考えられた。
「大腿骨頚部前捻角の違いが歩行時の膝関節運動に及ぼす影響~第3報~」湯田健二、石井慎一郎 『理学療法学Supplement』2010

前捻角(ぜんねんかく)は大きくなると、股関節の状態が悪くなると覚えておくと良いでしょう。

股関節の頚体角(けいたいかく)、前捻角(ぜんねんかく)は股関節の状態を見る一つの指標

知識として丸覚えする必要はありません。しかし、頚体角(けいたいかく)、前捻角(ぜんねんかく)を知る過程で、股関節の骨の状態や年齢とともに訪れる変化のイメージがより描きやすくなり、それが皆さんの股関節を健全にすることに大きくつながっていきます。難しいと感じる記事も、何度も読むことで、股関節のリテラシーは高まっていきます。少しずつ、このサイトを通じて、一緒に理解を深めていきましょう。

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