まる分かり!人工股関節置換手術

人工股関節置換手術とは?

手術をする必要がある人

末期の変形性股関節症では、人工関節の置換をしたほうが良いということになっていきます。

股関節内は血液の流れが特に乏しく、栄養が行き渡らないため、骨折部がずれてしまったら骨がつく見込みはほぼありません。なので、どうしても股関節を人工関節に置き換えることが必要になります。

    <人工股関節置換手術とは>

  • 傷んだ股関節を
  • 人工の寛骨臼(かんこつきゅう)と
  • 人工の大腿骨頭(だいたいこつとう)に
  • 置き換える手術

自分の骨ではなく人工の関節を使う

人工股関節置換手術とは違い、自分の骨を用いる手術には、「キアリ骨盤骨斬り術」や「寛骨臼(かんこつきゅう)回転骨斬り術」というのがあります。

キアリ骨盤骨斬り術は、股関節のすぐ上の骨盤を横に切り、骨盤をずらして固定し、骨頭を覆うようにして臼蓋を形作る手術です。臼蓋形成不全が高度で、比較的進行期の変形性股関節症に行われます。

寛骨臼(かんこつきゅう)回転骨斬り術は、
骨盤の臼蓋のまわりをドーム状に切り、寛骨臼を前外方に回転させて固定し、骨頭を覆うようにする手術です。臼蓋形成不全が高度で、比較的初期の変形性股関節症に行われます。

「キアリ骨盤骨斬り術」や「寛骨臼(かんこつきゅう)回転骨斬り術」も、骨を切ったり、ずらしたりすることで、「股関節がハマった状態を作る」という手術です。

手術最大の目的は痛みを取り除くこと

手術の目的はなんといっても、痛みを取り除くことです。人工股関節手術をすれば、痛みはほとんんど消失すると言われています。

手術は10cmほどの切開で行われることが多いので、「侵襲」と言って、体を傷つけることで起こる二次的な症状が小さくて済みます。手術後は、感染症や深部静脈血栓症に気をつける必要があります。

手術の時間

2時間から3時間程度です。

手術から退院までの期間

術後3週間ほどで退院できます。

人工関節の耐用年数

人工関節は何年もつの?

さて、人工関節の耐用年数は、一般的には15年~20年と言われていますが、時代と共に日々技術は進化し、今では、20年~30年と言われています。

日本は寿命100年時代とも言われていますから、50歳や60歳で手術を受けるのであれば、もう少し長い耐用年数が欲しいところではあります。今後、人工関節の耐用年数に注目していくと良いかもしれません。

「痛みをすぐに取り除きたい」という思いを持っている方もいると思います。ご自身のライフプランを病院できちんとご相談し、最適なプランを立ててみて下さい。

若くして人工股関節置換手術を受けた方は、耐用年数後に、再置換手術を行うことがあります。

手術後は脱臼に気をつけること

人工関節手術によって生じる合併症の一つに、脱臼があります。一般的に人工股関節の脱臼は、術後すぐに起こることが多く、だんだん起こりにくくなるとされています。しかし、ご高齢の方は忘れた頃に脱臼することが多いです。

全身の筋力を無理なく鍛えていくことが大切になります。横座りや靴を履く姿勢は脱臼の危険性がある日常運動と言われています。

一度脱臼すると癖になるので、リハビリでも、脱臼の予防は力を入れて行われていきます。

人工股関節置換手術後のリハビリ

歩行練習は早ければ翌日から開始

人工股関節置換手術の手術前と手術後には、クリニカルパスという治療計画に沿って、治療や検査やリハビリが進められます。

人工股関節置換手術後の翌日には、

  • 関節可動域運動
  • 筋力増強運動
  • 起居動作練習
  • 歩行練習

が行われます。起居(ききょ)動作練習とは、起き上がり、寝返りなど、日常で必要な基本動作のことを言います。

歩行練習は早くて手術後翌日から行われます。平行棒を手にして最初は歩き、最終的には杖に替えて歩いていきます。

自分で動作が可能になると、自分で服を着たり脱いだり、入浴をしたり、リハビリも応用的になっていきます。

病院によっては自宅でのリハビリも

退院前にリハビリのスタッフが自宅に同行して、自宅の生活ができるかを確認する場合があります。

自宅での負荷の軽い過ごし方をアドバイスしてくれるので、より快適な生活が見込めるようになります。

人工股関節置換手術はすべてがリセットされるわけではない

手術前の筋肉の機能が術後の心地悪さになることも

手術をして、関節が人工的に復活しても、手術前に股関節をあまり動かさずに、股関節まわりの筋肉が痩せ細ったり、短縮したりすると、その筋肉質は術後も同じです。

股関節の痛みが消えたとして、次に滑らかな股関節稼働を目指すためのリハビリをはじめとした活動がスタートします。

第二の股関節人生は、スイッチを押すと、若かりし頃の股関節に戻るようなものとは限りません。

まだ、変形性股関節症の末期でない方は、股関節まわりの筋力や柔軟性を整体や病院で専門家と相談して、鍛えていくと良いでしょう。

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